2025年11月27日
「口臭が気になる」「家族に指摘された」「マスクの中の自分の息が気になる」──近年、口臭に関するお悩みは年代を問わず増えています。特にコロナ禍を経て、自分の口臭に意識を向ける方が急増しており、歯科医院での相談件数は年々増加しています。今回は、口臭の主な原因と、正しい対策方法をお伝えします。
■ 口臭の種類と原因を知ることが第一歩
一言で「口臭」と言っても、その原因は一つではありません。大きく分けると、以下の4つに分類できます。
【1】生理的口臭
最も一般的で、誰にでも起こりうる口臭です。
起床時
空腹時
緊張時
口呼吸をしているとき
これらは唾液量が減少し、お口の中で細菌が増えることによって発生します。特に朝の口臭が強いのは、睡眠中に唾液がほとんど出なくなるためです。唾液には菌を洗い流す「自浄作用」があるため、唾液不足は口臭の大きな原因と言えます。
【2】歯科疾患が原因の口臭(病的口臭)
歯科医院で最も相談が多いのが、このタイプです。原因の約7〜8割はお口の中にあります。
● 歯周病
口臭の原因として断トツに多いのが歯周病です。歯周病菌が歯ぐきで炎症を起こす際、揮発性硫黄化合物(VSC)というガスを発生させます。このガスには主に3種類あり、①ジメルサルファイド②硫化水素③メチルメルカプタン等が強烈な口臭の原因となります。歯周病は自覚症状が少ないため、「気づいたら周囲に匂いを感じさせている」というケースも珍しくありません。
● 虫歯・歯垢・歯石
虫歯が進行すると穴の中に細菌が溜まり、嫌な臭いを出します。また、歯垢や歯石は細菌の塊であり、放置すると口臭が強くなります。
● 舌苔(ぜったい)
舌の表面に白い汚れがついていませんか?これが舌苔です。細菌や食べかすが舌に蓄積すると、口臭の元となり、歯磨きだけでは改善しない場合があります。
【3】全身疾患による口臭
糖尿病、胃腸疾患、肝機能障害、鼻や喉の病気など、体の異常が口臭につながる場合もあります。この場合、歯科的治療だけでは改善が難しいので、医科との連携が必要になります。
【4】生活習慣による口臭
以下のような習慣も口臭を助長します。
タバコ
アルコール
甘いもの・炭水化物の多い食生活
歯磨き不足
口呼吸(特に子どもに多い)
これらはお口の中の細菌が増える原因となり、ニオイを発生させます。
■ 歯科医院でできる口臭対策
口臭は、自己流ケアでは改善しないケースが多くあります。歯科医院では、以下のような根本治療が可能です。
● 専門的クリーニング(PMTC)
歯石やバイオフィルムを除去し、細菌の温床を取り除きます。
● 歯周病治療
歯ぐきの炎症を抑えることで、口臭の原因菌を減らします。
● 舌のケア指導
誤った舌磨きは悪化の原因になるため、正しい器具を用いて正しい使用法を指導させていただきます。
● フッ素塗布やメンテナンス
虫歯予防で細菌の増殖を抑え、口臭の発生を抑制します。
■ 自宅での正しいケア方法
歯科治療と合わせて、以下の習慣を取り入れると効果的です。
朝、夜、就寝前の丁寧なブラッシング
舌ブラシの正しい使用
糖質・間食を控える
水分補給で唾液分泌を促す
良く噛んで食べ、唾液を増やす
うがい薬の併用
■ まとめ⇒口臭は「原因を知れば改善できる」
「匂いが気になる=加齢や体質のせい」と諦めてしまう方もいますが、実際には口臭の多くは歯科的な治療で改善できます。放置してしまうと、歯周病が進行して歯を失うリスクにも繋がります。
口臭が気になる方は、まず歯科医院で原因を調べることが最も確実な解決策です。気になる症状があれば、お気軽に当院にご相談ください。